2005年02月17日

<産婦人科医>117施設でゼロ 大学に派遣依頼の病院

 大学病院の産婦人科に医師の派遣を依頼している全国1096病院のうち、大学が派遣を取りやめ、産婦人科医が全くいなくなった病院が全体の11%、117施設に上ることが16日、日本産科婦人科学会(日産婦、会長・藤井信吾京都大教授)の調べで分かった。勤務の厳しさから産婦人科医を敬遠する傾向がある中、臨床研修制度の必修化が一層の医師不足を招いたとみられる。
 調査は昨年9月、産婦人科がある全国102大学病院を対象に実施。03年以降、依頼された病院から医師を引き揚げたかどうかを尋ね、72大学病院から回答を得た。
 1096病院のうち、医師の引き揚げで産婦人科の医師数が減った病院は173施設(15%)。過半数に当たる117施設では産婦人科医がゼロになった。このうち定員が4人以下の病院が105施設を占め、小規模病院を中心に医師の引き揚げが起きていた。
 医師を引き揚げられた病院は、民間の紹介業者で医師を確保したり、他の病院との提携で医師のやりくりをしたりした。しかし、当直態勢が組めないなどの理由で45施設が分べんを取りやめ、25施設が手術をやめるなど業務の縮小を迫られた。
 調査結果は引き揚げの理由として(1)昨年春に必修化された臨床研修制度で2年間入局者がなく、大学に医師が不足している(2)大学で産婦人科を選ぶ医師が減りつつある――を挙げた。このため、病院に派遣している40、50代のベテラン医師が独立したり、大学と関係を持たない民間病院へ移籍した場合、補充も出来なくなっている。
 藤井会長は「大学が病院に医師を派遣できなくなっていることは残念だ。産婦人科医は出産などで勤務が不規則なため人気がない。医師が良い勤務条件で多くの経験を積めるよう、特定の病院に医師を集めるセンター化構想が必要だ」と話している。
Posted by Naoko at 03:04 | EDIT | コメント (0) | トラックバック (0)| 気になるニュース
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