2004年03月02日

【医療ミス】吸引分べんで胎児死亡 産婦人科院長を書類送検へ


 東京都あきる野市の産婦人科医院で03年1月、吸引分べんを受けた胎児が仮死状態で生まれ間もなく死亡する事故があり、警視庁五日市署は2日、近く院長(62)を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。同署は、吸引分べんを長時間続けたことが事故につながったと判断した。

 調べでは、この胎児の母親(28)は03年1月28日午前1時10分ごろ、同医院に入院した。院長は同日午後2時ごろから吸引器具を胎児の頭部に吸着させ、陣痛がくるたびに器具で引っ張る吸引分べんを始めた。胎児は午後4時45分に生まれたが仮死状態で、その約10時間後に死亡した。

 吸引分べんは、自然分べん出産が困難な場合に吸引カップを胎児の頭に吸着させ引き出すもの。長時間続けると胎児の負担が大きくなるとされ、産婦人科医院で広く採用されているマニュアルは「15分以内を目安とし、最大でも30分以上にならないこと」と記されている。長時間続けると、頭の皮膚と骨の間に大量の血がたまって胎児が死亡する場合があるという。

 同署は、院長が約2時間45分もの間、漫然と吸引分べんを続け、途中で帝王切開に切り替えなかったことが胎児の死亡の原因になったと判断したとみられる。

 この医療事故で両親は「子供が死亡したのは、吸引分べんを続けた院長の医療ミスが原因」などと主張し、同医院に約5700万円の損害賠償を求める訴訟を昨年9月、東京地裁八王子支部に起こしていた。

Posted by Naoko at 00:00 | EDIT | コメント (0) | 気になるニュース
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