19日から福井市で開く学会で発表する。
新潟市民病院の医師らは、服用後に重いけいれんや脳症で運ばれた子供が1991~2002年の間に54人おり、うち2人が死亡した、と03年10月の日本小児科学会誌に報告した。
また、大阪市立総合医療センターの塩見正司・小児救急科部長によると、98~04年に同センターに運ばれた服用後の子供のうち、11人に知的障害などが残り、別に1人が点滴による過剰投与のせいで死亡した。
代表的なメーカーの三菱ウェルファーマの集計でも、シロップ剤を発売した93年以降、5歳以下でけいれん約160例、重症けいれん約80例、後遺症約20例の報告がある。
テオフィリンは、治療に有効な血中濃度の値と、けいれんなど副作用の危険が高まる値が近く、薬の添付文書では血中濃度を測りながら使うよう求めている。
日本小児アレルギー学会の新たな治療指針では、テオフィリンは第一選択にはせず、追加の治療で検討する薬とし、「ぜんそく治療に精通した医師が注意深く使うべきだ」とした。
特に2歳未満には、最後の選択肢として使用を極力制限する。なかでも座薬は血中濃度が急激に上がる危険性が指摘されているため、「推奨しない」とした。
指針作成委員長の森川昭広・群馬大教授の話「重いけいれんとの因果関係を示す十分な証拠はないが、体質的にけいれんを起こしやすい乳幼児への投与は、慎重になるべきだと判断した」