【医療】慶応大が着床前診断申請 遺伝性の筋ジストロフィー
体外受精してできた受精卵の遺伝子を調べ、遺伝病になる子供の出産を避ける着床前診断の実施を、慶応大医学部産婦人科(吉村泰典教授)が20日までに日本産科婦人科学会に申請した。
着床前診断には「命の選別だ」とする批判もあり、同学会は「実施は重い遺伝性疾患に限る」との指針を定めている。現在、名古屋市立大の申請を審査中だが、これまで実施を認めた例はない。
慶応大が申請したのは、全身の筋肉が委縮し体を動かすのが困難になるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因となる遺伝子異常が妻にある夫婦での実施。妻は発症していないが、子供1人が発症している。生まれる子が男なら半分の確率で発症、女でも保因者となり少ない割合で発症する。
同産婦人科は「この病気は経過が重く、治療法が未確立。実施は患者団体にも理解されると考える」としている。
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