2004年02月22日

【着床前診断】「着床前診断」の医師除名へ、本人は継続も示唆


 母体へ戻す前に体外受精卵の遺伝子などを調べる「着床前診断」を行っていた大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長について、日本産科婦人科学会(会長・野沢志朗慶応大教授)は21日の理事会で「会告に違反している」として、除名処分の方針を決めた。

 本人の弁明を聞いた上で、4月の総会で正式決定する。

 大谷院長は、除名後は独自に着床前診断を行う可能性を示唆。学会の自主規制の実効性が問われそうだ。

 同学会が1998年に出した会告は、着床前診断について「生命の選別」につながる可能性があるため、「重い遺伝性疾患に限り、個別審査を条件に容認する」としている。大谷院長は審査を申請せずに3例の着床前診断を実施。目的も2例が男女産み分け、1例が染色体異常の検査だった。

 このため理事会では、学会として最も厳しい「除名処分」を求める意見が過半数を占めた。野沢会長は「本人から謝罪を受けたが、学会は社会や患者に責任があり、このような結論になった」と説明している。

 学会方針に対し大谷院長は「正式に除名になった後は良心に従って行動する。自分の意見に賛同する人を募りたい」と話している。

 ◆日本産科婦人科学会=全国ほとんどすべての産婦人科医が所属し、会員は約1万6000人。体外受精や代理出産など生殖医療に関する指針を「会告」として出し、会員に順守を求めている。任意団体で、会告違反で除名されても医師免許は失わず、診療は続けられる。

 ◆近親者卵子で不妊治療、根津医師は復帰へ◆

 夫婦以外の近親者から卵子の提供を受ける不妊治療を行い、1998年、日本産科婦人科学会から除名された長野県の根津八紘・諏訪マタニティークリニック院長の学会復帰が認められる見通しとなった。21日の理事会で「この1年の根津院長の行動から、再入会を拒否する理由はない」と判断した。

Posted by Naoko at 00:00 | EDIT | コメント (0) | 気になるニュース
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