2004年06月30日

【医療】がん治療前に卵巣組織凍結、戻して世界初の妊娠


 ベルギーのルーバン・カトリック大学病院で、がんの治療前に卵巣組織を凍結保存した女性が、移植手術を受けた後に妊娠したことが29日分かった。ロイターなどが伝えた。

 凍結保存した卵巣組織の移植後に妊娠した例は世界初。ドイツ・ベルリンで開催中の欧州生殖医学会で報告された。がんの化学療法や放射線治療を受けると、精巣や卵巣機能が失われ不妊になる可能性が高い。このため治療前に精子や卵子を凍結保存し、治療後に融解して使用する技術が開発されている。

 この女性(32)は7年前、悪性リンパ腫(しゅ)と診断され、化学療法を受ける前に、二つある卵巣のうち右卵巣組織の一部を摘出する手術を受けていた。組織を凍結保存し、治療後の昨年、卵巣組織を元の卵巣に移植したところ、4か月後に月経が戻り、自然妊娠した。現在妊娠25週に入り、10月に出産予定という。移植前は体内に残した卵巣が機能していなかったため、移植した卵巣が働いたと見られる。

 卵巣の凍結保存技術が確立されれば、がん治療を受ける患者にとって朗報となるほか、閉経後の女性が妊娠することも可能になる。

 日本では、日本不妊学会ががん治療前の精子凍結について認めているが、凍結保存が難しい卵子、卵巣については技術が確立されていないとして、一般的に行われていない。

Posted by Naoko at 00:00 | EDIT | コメント (0) | 気になるニュース
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