2005年02月01日

【研究報告】小児がん「神経芽腫」の悪性度、正確な診断法を開発


 小児がんの一種、「神経芽細胞腫(しゅ)」が悪性かどうかを、遺伝子の検査で精度良く見分ける新しい手法を、国立がんセンター研究所の牛島俊和・発がん研究部長らのチームが開発した。

 成果は1日付の米がん専門誌「キャンサー・リサーチ」に掲載された。

 研究チームは、患者140人の神経芽細胞腫について、プロトカドヘリンβという遺伝子を分析。この遺伝子に特定の分子が結合する「メチル化」という現象が多く起きていた67人では、28人が乳幼児のうちに死亡しており、悪性度が高かった。

 逆に、メチル化の割合が低い73人では、死者は2人だった。

 この遺伝子のメチル化の割合を調べることで、患者の約9割は、悪性かどうかの正確な判別が可能。従来の悪性度判別法よりも精度が3倍高いという。

 牛島部長は「将来、メチル化を防ぐ物質によって特効薬を作れるかもしれない」と話している。

 神経芽細胞腫は、主に5歳以下で発症、腹や胸などの神経節に腫瘍(しゅよう)ができる。悪性の場合は早期治療が必要だが、自然治癒する良性の例もあり、不要な手術や抗がん剤などによる健康悪化が課題となっている。

Posted by Naoko at 00:00 | EDIT | コメント (0) | 気になるニュース
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