2005年02月16日

【研究報告】汚れた空気、胎児に悪影響 染色体異常増 米研究所


 妊娠中の女性が汚れた空気の下で暮らしていると、赤ちゃんに染色体異常が現れやすいことが分かった。米国立保健研究所(NIH)が15日、発表した。環境汚染物質が胎児染色体に悪影響を及ぼすことを実証的に示した研究は、極めて珍しい。大気汚染の激しい都市圏で、白血病などのリスクが高まることを示唆しているという。

 米コロンビア大の研究チームが、ニューヨークの3地区の妊婦60人に測定器を着けてもらい、自動車や暖房機器の排ガスなどに含まれる多環式芳香族炭化水素(PAH)という化学物質を浴びている量を測った。

 出産後に臍帯血(さいたいけつ)(へその緒の血)の白血球を調べた結果、日常的に浴びているPAHが全体の平均以下だった女性の赤ちゃんでは、白血球1千個当たり4.7の染色体異常が見つかった。これに対しPAHが平均を超えた女性の赤ちゃんでは、染色体異常が7.2に上っていた。白血病など各種のがんの下地ともなる異常が目立ったという。

 米国立環境衛生科学研究所のオールデン所長は「妊娠中に浴びた特定の環境汚染物質によって染色体異常が起きうることを示す初めての研究だ。各種がんの予防につなげられるのではないか」と述べた。

Posted by Naoko at 00:00 | EDIT | コメント (0) | 気になるニュース
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